職場復帰。
隣に見慣れぬ人が座っている。
「〇月(私が病気休暇に入った翌月)に異動してきました。よろしくお願いします。」
私の代理として配属された方でした。
「そうなの?ごめんね。よろしくお願いします。」
「あぁ、これで私の異動もほぼ確定的だなぁ・・・」と思いながら、どちらかというとホッとしたというのが本音でした。
心療内科医とのやりとりを経て、「即座に代理職が配置されたこと」から、自分が任されていた業務の重要性を改めて確認できたことと、「本当に必要なら、誰かがやる。」という言葉を思い出し、組織の強さ、怖さを実感できたことは、その後の仕事に対する私の思想を大きく変えるきっかけにもなりました。
復帰してからの仕事は、その「代理の方」に、それまでの経緯等を引き継ぐことに加えて、関わっていた未解決の懸案事項に一緒に取り組むことでした。その方がいることで、とても心強く、安心して業務を進めることができましたが、一方で「油断」があったのかもしれませんが、日常的に、以下のようなことが起こるようになりました。
・寝坊による遅刻:兎に角、朝、寝坊することが増えました。最悪はお休み。
・業務中の居眠り:スイッチが切れるように気を失って(寝て)いました。
・幽体離脱? :寝ているわけでもないが、何一つ頭に入ってこない状態。
「遅刻」「休み」は、自分の意志で決めることが出来ているので、自分の中では「まだまし(駄目!だけど)」。「幽体離脱」も、周りの人に迷惑をかけることにはならないのであきらめがつく(と、自己処理はできる)。「居眠り」は、いろんな意味でダメだったと思います。時に、会議中に「〇〇さん!」と何度か呼ばれないと気が付かないようなこともあり、周りに迷惑をかけたことが結構な回数、ありました。自分的には、「眠い」→「寝てしまった」の感覚は全くなく、話を聞いている中で、いきなり強い口調で名前を呼ばれる感覚。正直、何が起こっているのか完全に理解できないという状況なので、もろもろ怖くてたまらなかった。
そんなことを繰り返し、半年くらい経った翌年度の4月に、別部門に異動となった。
大分ご配慮いただいたのだと思います。特命事案を受け持つ「遊軍」的配置だったので、定型業務も無い代わりに、固定された部下・同僚もいないという配属でした。「昔取った杵柄」的な経験値のある、比較的特異な分野への配置であったこともあり、かなり楽に、かつ円滑にその職場に馴染んでいくことができました。自分自身も、職場復帰後の経験をもとに、「無理はしない」をモットーに、日々の業務に取り組んでいました。しかし、夏を過ぎたあたりから、のどの詰まりを感じるようになり、呼吸が浅くなり、咳き込む回数が増え、しまいには声が出ずらくなっていきました。その症状に合わせ、眩暈・耳鳴りの強度が高くなっていたのです。
「もしや・・・」不安症の再発・悪化を思いましたが、「いやいやそんなこと考えるから、またおかしなことになる。」と思い、しばらくのど飴やら、柚子茶やら喉に良いといわれるものを摂取してやり過ごそうと努力していました。ところが、どうにも良くなる気配がありません。「念のため」と思い、人事にいた仲の良い後輩に「また病気休暇になったら、なにかペナルティとかあるの?」と聞くと、「どうしたんですか?」と心配してくれた上で「制度的には、前の病気休暇終了から半年以上経っているので、リセットされています。同じ症状だとしても、最長3カ月の病気休暇取得が可能ですよ。」との回答をえることができた。併せて、直属の上司という訳では無かったと認識しているものの、業務的に最も頻繁に連携していた課長・課長代理には現況を説明し、最悪はまた長期の病気休暇に入らなければならなくなる可能性があることを告げました。ただし、この時点では私自身も本当に「万が一」の話だと思っていたのです。
が、「その日」は突然やってきました。