まい うぃる(akarui isho)

いろいろ書いておこうかな~?と…

人生初の救急車

ある年の10月。もう5年以上前の話。大型の台風が近づいているというようなニュースを見ながら身支度を整え、出勤する。最寄り駅に着くと、改札の前で多くの通勤・通学の人たちが右往左往していた。台風の影響で電車がかなり遅延しているとのこと。いつもより少し体がだるかったこともあり、改札前のベンチに腰掛け「さて、どうしようか?」と考えていると、目の前の景色が渦を巻くように歪んでいくのと同時に、心臓を鷲掴みにされたように激しい圧迫感に襲われました。隣に座っていた人の膝を掴んで「駅員さんを・・・」と言い終える前に、その人が「大丈夫ですか?ちょっと待ってください。」と走り出されました。座っているのも苦しかったので、地面に膝まづいていると、「寝ころんだ方が良いですよ。」と、肩を押され、横にさせられました。

そこからは、時間の感覚とか、時系列が曖昧ですが、大体の記憶で書きます。「大丈夫ですか?解りますか?」と多分駅員さん。頷くのが精一杯で、何も言葉を発せなかったと思います。「救急車を呼びますね。」ほどなくしてサイレンの音が聞こえてきました。と、感覚的にはほぼ同時に「解りますか?大丈夫ですか?」と、優しく大きめの声。救急救命士さんかな?「はい。」声が出ました。「どこが痛みますか?」「胸が、苦しい・・・」そこまで答えると、身体がフワっと浮き上がります。「病院に向かいますからね。頑張ってください。」とか、いろいろ話掛けられていたように思います。

少し記憶が飛ぶように思いますが、ガチャガチャと食器を洗うような音が聞こえてくるのと、少しヒステリックな男性の声「なんで?え?そんなことないだろ?」的なほぼ怒号が、少し遠くで聞こえていました。と、「〇〇さん。服切りますよ。」「まだ痛みますか?」の質問というか、説明。「痛くない。苦しい。」と、さっきよりも冷静に答えることができますが、変わらず強烈な圧迫感と眩暈。名前とか、電話番号とか聞かれたように思いますが、そこら辺で記憶が途切れます。次に気づいたときはベッドの上。奥さんが来てくれてました。「大丈夫?」と声を掛けられた時には、眩暈も圧迫感もなくなっていて「ごめんなぁ」と普通に会話ができました。

しばらくして、担当医がやってきました。「心筋梗塞が疑われましたが、特に何も所見はありません。何か思い当たることはありますか?」と聞かれたので、「仕事のストレス以外は思い当たりません。」とまじめに答えたのですが、「ストレスでこんなことになりません。そんなことで救急車を呼ばないで下さい」と一喝されました。

すみません。すみません。すみません。

「最後に、念のためですが、冠動脈乖離(だったと思う)の検査をやっておこうと思います。少しお金が掛かりますが、良いですか。」と聞かれたので、「お願いします。」と答えます。1時間もかからないうちに検査が終わり、結果について先の医師から説明がありました。今度は少し落ち着いた口調です。「冠動脈乖離はありませんでした。ストレスでも今回のようなことが起こる可能性もあるようです。心当たりがあるようならちゃんと専門医を受診してください。」とのことでした。

午後から、心療内科を探して受診しました。紙で結構な量の質問に答えた後、先生との問診。

先生「心臓に問題が無いことは良く解りました。脳の検査はなかったのですか?」

私 「脳?頭ですか?」

先生「はい。この場合、脳の検査をしてくれていたら、もっとはっきり解るんです。」私 「???はい。頭の検査は何もなかったと思います。説明もなかったですし。」

先生「そうですか。典型的なパニック発作です。不安症だと思われます。」

淡々と告げられます。

「青天の霹靂」私は全く受け入れられません。「いやいやいや。」とか思っていると、「大分無理されているんだと思います。そんなことないと思われるかもしれませんが、多分、体はサインを出していたと思いますよ。それにあなたが気が付かなかったか、気が付いても無視したから、脳が、強制的に体をシャットダウンしたという感じです。ちょっと休まれた方が良いですよ。」

 

つづく・・・

 

【言い訳】

病気休暇に入るまでを今回で書き切るイメージでしたが、ここはもう少し掘り下げておきたいところなので一旦区切りたいと思います。思いのほか、書いておきたいことが多かったッス。すみません。

無い方が良い。絶対に経験されない方が良い話なのですが、もし誰かが同じ経験をされた時、ここの診察の件は、結構詳細に書いておいた方が良いかなと思いますので、少し丁寧に書いておきたいと思います。

ちょっと長くなるかも?です。