まい うぃる(akarui isho)

いろいろ書いておこうかな~?と…

私、晴れて「嫌われ者」になりました・・・

なんやかんやで引っ越し当日。介護施設に、先にすべて荷物を運びこみ、後は両親が来たらすぐに生活できる状態にしつらえました。両親を車に乗せて、施設に向かいます。車に乗る当たりから、どうも父の様子がおかしい。「どこに行くんだい。」物凄いしかめっ面。「前から言ってたように、今日から施設に入居だよ。」

 

施設に着くと、先ずは母の部屋へ。母は「いやぁ、ええやんかぁ。」と満面の笑み。本当に嬉しそう。「親父はこっちだよ。」の私の言葉に、かぶせるように、「なんだい。部屋は別々なのか?」と父。「え?ずっとそう説明してたよね。」と私。憮然とする父。しばらく皆で母の部屋で過ごした後、私が帰ろうとすると、「僕も一緒に帰るよ。」と父が真顔で言います。

私「帰るってどこへ?」

父「君と一緒に、家に帰るんだよ。」

私「いや。私は、自分の家に帰るんだよ。」

父「僕の家は、どうなったんだい。」

私「今日から、ここが親父のお家になるんだけど・・・」

父「前の家はどうなったんだい?」

私「え?前に、司法書士さんと不動産屋さんに一緒に話して、売ったやんか。」

父「売ったのかい?」

私「はい。売りましょうという話になったよね。」

父「君は、何から何まで勝手に決めて、あの家を僕がどんな思いで買ったかそんなことも解らないだろう!なんてことしてくれたんだい!!」

 

父が鍋を焦がしてから、入居施設を探す間の時間(約半年ほど)をかけて「もう二人きりでの生活は危険すぎること」「施設に入るには別々の部屋になること」「住んでいる家は売ること」をゆっくり、じっくり、何度も説明してきました。口頭の説明だけでは実感が無い分、理解もできなかったのだと思います。時間を掛けた分、記憶が抜け落ちて行って、返って解り難くなってしまったのかもしれません。

家族(兄、姉も含め)で相談し、ことを進めましたが、実際の手続きの場(引っ越し当日も)には、常に私しかいなかったので、父にしてみれば、私がすべて「勝手に進めている」と見えていたようです。

 

その瞬間をもって、私は父に「憎き敵」と認定されました。号泣・・・

 

ただただ両親の安全安心を願って、仕事もほどほどに、ことを進めてきた私には虚しさだけが残りました。呆然としながら母の部屋を出ようとする私の後に父が付いてきます。

私「どこに行くの?」

父「家を見に行くんだ。もう、ほっといてくれ。」

もう、何を言う気にもならない私は、黙って一緒に施設を出ます。建物を出て、数十メートル歩いたところで、不安そうな顔をした父が「駄目だ。本当に駄目だ。ここはどこだい?すまないが母ちゃんのところへ連れて帰ってくれないか。」ついさっきまで近づくことさへ拒否しているかに見えた父が、私に頼みます。「解った。戻ろう・・・」母の部屋まで送りながら、私は「ごめんな、ごめんな」と心の中で謝るしかありませんでした。